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2002 - 2004

Patricia Piccinini: we are family button
東京 原美術館
2003年12月6日‐2004年2月1日


アーティスト:パトリシア・ピッチニーニ


キュレーター:リンダ・マイケル

   

WE ARE FAMILY
「WE ARE FAMILY」展は、斬新かつパーソナルな視点から「何が正常なのか?」「生命を支配するのは一体誰なのか?」「私たちと動物の関係性は?」「他の命よりも価値のある命など存在するのか?」「何が家族を構成するのか?」など私たちの時代で最も困難な倫理的諸問題に取り組みます。

ピッチニーニは、プラスティック、絵具、そしてコンピューター・ピクセルを使い、生物的物質の生成の可能性を引用しています。「人間を構成するものは何?」「どこで1つの種が終わり次の種が始まるのか?」「誰が創造した生命の責任を負うのか?」__外部干渉をめぐる現代の倫理的論争を独自の視点から深く追求した彼女の作品は、私たちの時代に蔓延する、止めどもない科学の発達がもたらす期待と危険を鮮明に表現しています。

彼女の彫像(立体)作品は、愛し、たわむれる衝動をもったごく普通の生物を表わしていますが、同時に彼らの存在はその異様なゆがんだ姿によってかえって生き生きと表現されています。正常がミュータントに、あるいはその逆になりうるこのピッチニーニの世界では、それぞれがもう一方を定義してます。ピッチニーニはこのように彼らを呈示し、この醜いものにも将来性があるのだということを認めざるを得なくしています。たとえ姿が奇怪で醜くても、彼等は常にいたわり、気を配り、愛するに値するもの達なのですから。

ピッチニーニの作品は、私たちの興味の底にひそむ遺伝子工学に対する希望と恐れから生まれたものなのですが、偏った見方をせず中立の立場をとっているゆえに私たちを惹き付けます。彼女の作品は恐ろしい可能性を持つ将来に生命を与え、同時に社会的価値と関係の持つ救済力を主張しています。例えば、人類が他の種と混じり合うという私たちの恐怖は、ピッチニーニの深い悲しみをたたえた辛抱強い超越種の母親が赤ん坊に乳を与えているイメージによってかなり和らげられ、回避されています。この作品やその他の作品は、私たちに「"私たち"とは何なのか、家族とは何か?」と問わせます。

日本における「PATRICIA PICCININI: WE ARE FAMILY」展は、オーストラリア・カウンシルとメルボルン大学アジアリンク・センターが東京の原美術館と提携して開催する合同プロジェクトです。展覧会は2003年6月12日にオープンする第50回ヴェニス・ビエンナーレのオーストラリア館で開催されます。

「PATRICIA PICCININI: WE ARE FAMILY」展は、アジアリンクと日豪交流基金が創始するオーストラリア‐ジャパン美術展プログラムの一部です。さらに、オーストラリア政府の芸術資金提供及び諮問機関であるオーストラリア・カウンシル、東京のオーストラリア大使館の後援も受けています。ヴェニス・ビエンナーレで開かれる同展についての詳細は、
オーストラリア・カウンシル
PO BOX 788, Strawberry Hills, Sydney, 2012, NSW, Australia
電話:+61 2 9215 9000 ファクシミリ:+61 2 9251 9111
Email: venice2003@ozco.gov.au
までお問い合わせ下さい。

また展覧会に関する詳細は、
www.patriciapiccinini.net と www.ozco.gov.au/venice でご覧いただけます。

パトリシア・ピッチニーニ
1980年代初期に画家としての訓練を受けたメルボルン在住のパトリシア・ピッチニーニは、解剖学に基づく素描や絵画でそのキャリアを始めました。それ後の作品も、医学介入などの問題に対する個人的な関心から生まれています。今日、ピッチニーニは、自身のアイデアを実現するために多岐に渡る分野の専門家と共同製作を行い、彫刻、写真、映画、インスタレーションなど驚くほど広範囲な媒体で仕事をしています。
「Atmosphere(空気圏)」「autosphere(自動圏)」「biosphere(生物圏)」は、アーティストが彼女の制作範囲を表わすときに使用する用語です。彼女のアトモスフェア作品は、見る人の中に情感あふれるセンセーションを創りだすことに焦点が合わされています。彼女の自動車の形をした作品はラブ・オブジェクトと名付けられています。そして彼女の作る生物は更に優れた新しいものへの探求の賜物です。これらの作品は全て、激しく相反する感情を刺激する力を共有しています。
ここ10年以上、ピッチニーニの「WE ARE FAMILY」展の焦点である「バイオスフェア」の生物を作り続けてきました。1994年には胚のようなLUMP (塊)を豚の肉から創造し、その後、合成生物を表現あるいは具体化した写真、ビデオ、彫刻を作ってきました。この展覧会では、LUMPからSO2(DNAを合成して合成有機物
SO1を創造した科学者に啓発されて作った)、「幹細胞(stem cells)」および「クローン(clones)」まで展示されます。
ピッチニーニは、オーストラリアおよび海外で広く展覧会を開いてきました。日本の東京都立写真美術館、ペルーではリマのCentro de Artes Visuales、シドニーのコンテンポラリーアート美術館、メルボルンのAustralia Centre for Contemporary Artで個展を開きました。彼女の作品は、シドニー、ベルリン、光州そしてリバプールのビエンナーレで、カッセルのFridericianum美術館のSong of the Earthで展示されました。2002年には台北の現代美術館のオープニング・エキシビションに参加、さらに新しくオープンしたヴィクトリア州ナショナル・ギャラリーにインスタレーション「Sandman」が展示されました。ピッチニーニの「WE ARE FAMILY」は2003年に開かれる第50回ヴェニス・ビエンナーレでオーストラリア代表として選ばれ、日本へ移動する前に6月15日から11月2日まで展示されます。


キュレーター
リンダ・マイケルは「WE ARE FAMILY」展のキュレーターです。メルボルンのモナッシュ大学美術館のシニア館長、マイケルは、その前はシドニーの現代美術館(MCA)にいました。彼女は、1996年の「Photography is Dead! Long Live Photography!」、1997年の「Natural Selection」などのMCAの展覧会にピッチニーニの作品を含めたり、ドイツのカッセルで開かれたSong of the Earthに彼女の参加を手配するなど、ピッチニーニと一緒に多くの仕事を手がけてきました。

 
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